アナログ三姉妹


いつもなら、照れ臭くてなかなか言えないこと、


互いに向き合う必要がない空間がある。


でももしそれが消えた時、


人は素直になれるし、


なる必要がある。


たとえ言葉はなくても、


代わりに暖かな絆に包まれた居心地。


三人はそれぞれが物思いにふけりながらも、マッタリとした時間を噛み締めていた。


が…。


「あ、ロウソク短くなった。変えるね」


ひかりが立ち上がったと同時に、


ロウソクの火が消えた。


と同時に、


「あの、私…」


暗闇でれいの訴えかける声が。


「私…」


ただならぬ気配に押し黙る兄姉。


「私…結婚したいの‼」


衝撃告白の瞬間、


パチッ‼


電気が戻った…。


< 73 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop