アナログ三姉妹


「バッチリよー」


ニンマリと笑う、ひかり。


その笑みはまた意地の汚いこと。


あなた、さっきまで泣いていませんでしたか?


「証拠はここに」


ポッケから取り出したるはスマートフォン。


不敵な微笑みで、


ササッと操作をし、


パパッと録音した音声を再生し、


「あれ?私、ムービー撮ってたみたい」


「それでもいいんじゃない?」


感電したはずのれいが、携帯を覗き込む。


「やだ、色々いじってたら消しちゃったみたい」


「ちょっとお姉ちゃーん‼」


「れいちゃん、もう一回、感電した振りしたら?」


「私、怖くて後ろ振り返れないんだけど?」


「あら奇遇ね。私もなの」


ひかりは笑った。


この後、


兄に大目玉を食らったことは言うまでもない。








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