LOVE・ラブ・らぶ-先生と描くsweet life-



先生の優しさにもっと涙が溢れた。


歩は何だかおかしくなって、泣きながら笑う。


「あ~、やっぱ歩は泣き虫だなぁ。泣くか笑うかどっちかにしろよ。」


と先生は苦笑した。



歩は子どものように先生にしがみついて泣いた。


落ち着くまで泣いた。



先生は泣きじゃくる歩の背中をずっと優しく擦ってくれた。



そして泣き止むと、車に乗り込み、バイト先まで送ってくれた。


車の中は二人とも無言で、その空間にはエンジン音とカーステレオから聞こえる音楽だけが響いていた。

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