幼なじみ〜春夏秋冬〜
恋に落ちた日
あたしは夏兄が好きだった。



好きだと思っていた。



6つも年上だから、当然だけど年下のあたしには何でも出来るスーパーマンに見えた。



鬼ごっこであたしが鬼になり、ずっと誰も捕まえられないと代わってくれたり、嫌いな野菜をこっそり食べてくれたり、遊ぶときはいつも中心になってみんなを楽しませてくれた。



それに引き換え、同じ年の秋高は意地悪ばっかりで、鬼ごっこをすればあたししか狙わないし、嫌いな野菜を残せば告げ口するし、遊んでいて不利になるとふてくされて途中でいなくなってしまったりでいいところが見つからなかった。



< 55 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop