【短編】キミはお姫様。【実話】
結局それから高校を卒業するまで城崎とはまた連絡をとれなくなった
あの日来なかったと思って恨んでるかな・・・

最初にあの店で働いていることを教えてくれた青木に聞いたが
何も知らないという

あの時ガラスを割ったのは誰だったんだろう・・・



俺は高校を卒業するとすぐに建築の仕事に就いた
育ててもらっている親戚に大学の学費の負担をかけるわけにはいかなかった

青木の家は城崎と同じで金持ちらしく、青木は有名私立大学に進学した。



ボロアパートを借りて一人暮らしを始めた俺は少ない日給で何とかやりくりをしていた。

そんな時きた一通の手紙



『桜井光司様

この度、私青木龍太郎と城崎姫華は結婚することになりました』


なんかの悪ふざけかと思った。
だが、式の日程・場所までしっかり書いている

何がなんだかわからない・・・

とりあえず手紙に書いていた連絡先に電話をすることにした

「もしもし・・・」

・・・!?

「城崎?城崎なのか?」

「・・・・・・」

しばらく沈黙が続いた

「城崎?」

「・・・結婚することになったから」

!?

「わけわかんねって。なんでだよ!」

「あの日、来てくれたのは青木君だった」

「・・・え?」

「さようなら」


ブチッ
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