失恋レクイエム ~この思いにさよならを~
「酒井さん、朝早くからすみません、時森です」
「あぁ、マユちゃん。昨日はちゃんと帰れたの」
おもわず額を手で押さえて空を仰いだ。
もしかして、が確信へと変わる。恥ずかしさのあまり顔に血が集まって、冬だというのに暑い。
「あー…、はい、なんとか。あの、私それが良く覚えてないんですけど、どれくらい飲みました?」
「そりゃあれだけ飲めば覚えてないか」
ははは、と笑ったあと、ウィスキーのボトル1本だよ、と事も無げに言った。
「えっ」
「しかもロックで全部だもんね。さすがの俺もビックリ。あ、お金は今度で良いよ」