蜜色オフィス


「私の彼氏、仕事ができる上、えっちも上手なんです的な」
「えっ……ちって、そんな話はしてないでしょっ!」
「してないから言ったんじゃん。
同期としては、宮坂がどんな感じなのか知りたいし」
「だから……っ」


思わず大声になった声。
周りでランチをとってる社員がこっちに注目してないか確認してから、身を乗り出して梢に言う。


「っていうか、そんな話、ここでする話題じゃないし」
「じゃ、ちょっとでいいから教えてよ。
うまいかヘタかで言ったらどっち?
芽衣の数少ない元カレとの比較でいいから」


元カレとの比較じゃなかったとしても。
そんなの、比べるまでもない。


「……前者」
「うまいんだ! なんかでも一見ストイックだけど、実はむっつりっぽもんねー」
「……」


否定できない私を見て、梢がニヤニヤ笑う。



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