蜜色オフィス


だから、私がさよならを言ったって、宮坂は受け入れるんじゃないかって……。

今まで通り、何もなかったみたいに仕事に打ち込めるんじゃないかって……、そう思ってた。

少し寂しいなって、でも、私の事で傷つくよりはずっといいって。
そう思ってたのに。


私が思っていた以上に想ってくれてる宮坂を知って、グラついていた気持ちが、もっと大きく揺れ出す。

今日のデートで最後にしなくちゃ。
そう思って家を出たのに……。


「私の事……、そんなに大事、なの?」


ちょっとからかうみたいなトーンで聞こうとしたのに。
目の奥にこみ上げてきた涙が邪魔して、声が途切れ途切れになった。

それを変に思われないように、浮かんでた涙をぐって抑えて笑顔で見上げる。

宮坂の事だから“さぁ”みたいに誤魔化すかと思ってたのに……。
返ってきたのは、私を苦しくさせる言葉だった。



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