蜜色オフィス


「そんなわけないじゃないですかー。俺、こう見えても身体弱いんですよ。だから。
なのに一方的にサボりだって決め付けられちゃって、薬ももらいに行けない状態なんです。
ひどくないですか? 下手したらパワハラですよねー」
「嘘ばっかり。ほぼサボりだったじゃん。
大体、新入職員のくせにサボるとか本当会社ナメすぎなんだけど。
そんな事ばっかりやってるから、本当に体調悪い時に困るはめになるんだよ」


「自業自得」って鼻息を荒くして怒る梢を見てから、福田くんに視線を戻してため息をついた。


「なんの薬?」
「ありがとうございます! 頭痛薬お願いします」
「芽衣、甘やかす必要ないって、こんなヤツ。
大体、こんなにペラペラ話せるなんて、大した事ない証拠だし」
「でも、本当に体調悪いんじゃ可哀想だし。
今日は夕方、社長もくるんでしょ?」
「あ、そっか。そういえば、そうだったよね。
急だから、社長直々に福田にクビを言い渡すんじゃないかって話も上がってたっけ」


……そんな話が上がれば、頭くらい痛くなるかもね。





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