隣の席のキミ

ムカつく俺 Yuuto




―――――放課後。
実行委員になってしまった俺たちは今、教室で2人っきり。
はぁ、最悪…。
なんで俺が実行委員なんだよ…。
担任も勝手に押しつけすぎだろ。
気に入らねぇなー…。
そして、少々気まずいながらも旅行先でのプランを立てていく俺達。
マジでめんどくさい。
…まぁ、俺は頼りになるらしいし。
担任にも山城さんにもおだてられたら気がするけど、ま、いいや。
ふと窓の外を見ると、見覚えのあるグラデーションがかった綺麗な夕焼けが目に映った。
この風景、前と全く一緒。
山城さんを見ると、やっぱり綺麗な夕焼けを眺めていた。
遠い目をして。
きっと思い出していたんだろう。
あの日のあの時のことを…。
「ねえ、何ボーっとしてんの?」
それでも、山城さんは黙ったままだった。俺はもう一度話しかけてみる。
「夕焼け、見てんの?」
そして、わずか直後、窓越しに風景を眺めながら、山城さんは、寂しいそうに答える。
「うん…綺麗だなって…」
…本当、綺麗だ。
綺麗って言葉じゃ足りないくらいに美しい夕焼け。
でも、なぜかその風景は切ない空気に染まっていた。
俺達の会話は、飛び飛び続いた。
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