隣の席のキミ



はぁ…やっぱり男子は起きてたんだ…。
少し安心した。
二階には、部屋も少ないため、トイレがない。
だから、仕方なく一階のトイレに行くまでの突き当たりの階段を降りた。
数分経ってトイレから出てきた私。
こ、怖い…。
トイレの前でうじうじしていると、何やら階段の方から足音が聞こえてきた。
ペタン、ペタンと足音は近く。
な、なに…!?
……誰…なの…?
だんだんと迫る足音。
…一人でなんか来るんじゃなかった…。
今更、後悔が頭を過ぎる。
どんどん額に滲み出る汗。
そして、足音は私の後ろまで来ていた。
「っ!!キャァ――――――っ!!」
恐怖のあまり、思いっきり叫んだ私。
目を閉じて必死に祈る。
どうかお願い、神様!!
私を助けてください!!
「…何やってんの?」
…へ?
どこか聞き覚えのある声。
恐る恐る後ろを振り向くと、そこには―――――
「ま、前野!!」
私を何だコイツとでもいうような目つきでこちらを見ている前野が立っていた。
私はその場に崩れ落ちた。
「あぁ~本当びっくりしたぁ…」

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