I trust U ~最愛のあなたへ~

自立


今日は土曜日。
朝から子供達が外で元気に遊んでる声が聞こえてくる。

私は部屋の中の物を全て整理し
手紙を一枚置いて一階に降りた。

「園子ちゃん…」

「これ園子ちゃんの為に貯めてきたお金だよ、よかったら使ってやってくれ」

おじさんが私の為に通帳に貯金していてくれたのだ。

「それではいってまいります!」

私は今までで一番元気な声で家を後にした。
悔いなんてない!だけど涙が溢れ出てくる。

大きなキャリーを転がしながら
都内を歩き回った。

「まずは家探しだなぁ」

不動産屋に行くがどこも家賃10万円以上。
今の私にそんな大金払う余裕などない。

そこで私がアルバイトしてる店長にお願いして
何とか住み込みでバイトさせてもらえたのだ。

「店長、ありがとうございます」

私が働いてる店は、かのこと言う名で
夫婦が営んでいるお寿司屋さんだ。

「そんなの気にしなくていいよ」

店長は本当にいい人だ。
奥さんも快く受け入れてくれた。

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