last　message~50~
2011.11.22
健さん。

私決めました。

もしも、神様が本当にいて、私の大切な人を奪っていくなら。

私は、それに最期まで抵抗しようと思います。

誰かを失う悲しみを出来るだけ多くの人に感じさせないように。

今、命を断とうとしている人には、もっと長く生きたいと思えるように。

今、病気と闘ってる人が一日でも長く生きられるように。

今、生まれてこようとする命が幸せになれるように。

そのために、やっぱり私は、看護師にならなきゃいけない。

それが、私の運命なのかもしれません。

正直、今日は、絶望しました。

私の大切な人を、また奪われてしまったから。

いいえ。正しくは私が殺してしまったのかもしれません。

私が、ちゃんとしていれば、きっと死なずにすんだ命です。

今は、薬のおかげで落ち着いていますが、きっとしばらくは、不安定なまま生きて行くでしょう。

それでも私は、死にません。

自傷はしてしまうと思うし、たくさんの人に迷惑をかけてしまうと分かっているけれど、それでも死にません。

まだ、死ねません。

私が、そっちに逝かないよう、見守っててください。

そしてもし、そっちで亜美に逢ったら、私の代わりにお説教してください。

まだ死ぬには早すぎたって。

自殺する前に、私に一言頼れって。

よろしくお願いします。





< 39 / 60 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop