不思議少年はかく語る
『……の……れぇ』
上に行き下に行くような「れ」。余韻を残すようにさざ波らしく耳に残る「れ」から「ぇ」の発音。
強調され、まるで“誰かに問いかけた声”は無邪気にも見えた。
見えたのだった。
屈んで目隠しする子供、その周りをくるくる輪になって回る遊びが。
――ぁ。
分かってしまった。
暗い瞼裏に子供たちが遊ぶ。
『かーごめ、かごめ。籠の中のとーりーはー』
出だしが出たら次々と頭で音色が歌われていく。
洗う手はいつしか止まっていた。ぴちゃんとどこからか水の音がした。