泡沫のキス
「あなたに好きだと伝えたい
痛むのは足ではないわ
あなたを想う、この胸よ
あなたの幸せを想う、この胸よ」
どうしてこの歌は、こんなにも切ないんだろうか。
恋なんてしたことのない私でさえ、胸がギュッと締め付けられるのは、どうしてだろうか。
「“好きよ” “好きよ”
心は叫ぶけれど
あなたに伝わることはない
“好きよ” “好きよ”
“あなたが好きよ”
この声は届かない」
もしかしたら、私は本当は…。
教室の中には、ピアノの音だけが残り、歌い終えた私には、妙な胸騒ぎだけが残る。