泡沫のキス
「う~ん、ごめんね。
僕、ほら、王子様だからさ」
そう言いながら、十雅くんは涼しく笑った。
でも、なぜか目には哀しみが揺らいでいる気がして。
「……」
私は何も言えなくなった。
だけど、本当にいやだ。
やっぱりいやだ。
私はただ、静かな普通の生活を送りたいのに。
このままじゃ、彼のせいでその計画もぐちゃぐちゃだ。
女子の嫉妬、恨み。
王子様の彼といたら、とにかく真っ黒い渦に飲まれてしまう。
いやだ、そんなのいやだ!