*春待つ疑問符*
僕が去ったあと、店番をするカズマ君の前に、一人の男の子が現れた。

「こんにちは。…あの〜、」

対応するカズマ君に、何も喋らない男の子。

「…あっ、2年生!」

カズマ君は何も喋らない男の子が、小学校唯一の2年生であることに気づいたのだ。

男の子はカズマ君を睨んだまま動かない。

「何…?」

カズマ君は困っていた。

すると、配達に出かけていたカズマ君のお父さんの車が近づく音がした。

音のする方を一瞬確認した男の子は、カズマ君に視線を戻すと、


「おまえの兄ちゃんもバカだから死んだんだ!」

そう言い残すと、走って逃げた。

カズマ君は呆然としている。

「お友達か?」

車から降りてきたお父さんの声も、カズマ君の耳には入らなかった。
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