彼と彼女と彼の事情
その後も、当たり障りのない会話を続けたけど、肝心の隼人のことには、二人とも一切触れなかった。 


それも、郁人の優しさだったのかもしれない。 



もしかしたら…… 


すでに新しい彼女がいて、私をガッカリさせないために、敢えてその話題には触れなかったのかもしれない。 


郁人は優しい人だから私を傷つけたくないのかもしれない。


……などと、どうしても悪い方向に考えてしまう。




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