会議室のナイショの関係
「あっ、そうだ!」


ソファの上で、私を優しく包み込むように後ろから抱きしめているまーくんの顔を振り返って見る。


「ん?」


優しい目をして私を見つめているまーくん。


「ねぇ、まーくん。倉木さんって、今、彼女いるの?」


ある日の仕事帰り、私は香澄とご飯を食べに行った。

その時、


「倉木さんって、彼女いるのかな?」


そう香澄が聞いていた事を思い出す。

だから、

まーくんなら知っているかな?

そう思って、聞いてみたのだけど……


「はぁ?何で?」


さっきまで優しく笑い掛けてくれていたまーくんは、急に不機嫌になる。


「何でって……。えっとぉ……そのぉー、ちょっと気になって?」


香澄とご飯を食べた時、香澄が倉木さんを好きになった事を聞いた。

それで、“倉木さんに彼女がいるのか”って話になったのだけど……

“香澄が好きって言っていたから”

なんて、香澄の気持ちを勝手に話せないし。


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