会議室のナイショの関係
だけど、


「紗和が悪い」

「……意味わかんないんだけど」


私は立ったまま、座っているまーくんに抱きしめられている。

ちょうど私の胸元にまーくんの顔がある。

まーくんは“わざと?”って思うくらい、私の胸に顔を埋め、ぎゅっと抱きしめる。

そんな状況に、すごくドキドキし、顔が赤くなる。


「なぁ、紗和……。何で、さっきあんなに慌てていたんだ?」


まーくんは私の胸に顔を埋めたまま聞く。


「だって、それは……」


福本さんに私達の関係がバレたらどうするの!って言おうとしたが、その前に、今のこの状況を誰かに見られたら、かなりマズイ。

まず、まーくんから離れようと、まーくんの肩を両手で押す。


「って、その前に離してよ」

「ヤダ。何で?」

顔を上げたまーくんは、にこにことこの状況を楽しんでいるような表情をしている。


「何でって……。ここ会社!こんな所、誰かに見られたらどうするの!」


私は必死に給湯室の外に聞こえないように小声で訴える。


まーくんは社長。

それに、女性社員から人気がある。

付き合っている事がバレたら……


考えるだけでも、怖くなる。


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