会議室のナイショの関係
お兄ちゃんが出て行った後、


「座って待ってようか」


私はまーくんを見る。


「あぁ、そうだな」


お兄ちゃんと話していた時は、少しリラックスしているように見えたけど、まーくんはまた緊張した表情に戻っている。


「まーくん、ごめんね」

「何が?」

「いや、何かお父さんが……」


忙しいまーくん。

せっかくのお休みなのに、こんなに緊張していたら、心が休まらないんじゃないかって、ふと思った。


「今日は、紗和の彼氏として来ているからな……。おじさんからしたら、娘の彼氏に会うのは嫌だろう」

「でも……」

「すごく緊張しているけど、大丈夫だよ。紗和と一緒に居られる為に、頑張らなきゃな」


そう言いながら、まーくんは私の手をぎゅっと握る。


そうだよね。

今日はお父さん達に、まーくんと一緒に住みたいって事をお願いする。

緊張して、言いたい事を言えなければ意味がない。


「うん。私も頑張る」


私はまーくんの手をぎゅっと握り返す。


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