給湯室の恋の罠
それから数日後――…


その日もいつもの様に、『会議が終わった』と連絡が入る。

私と紗和は会議室の後片付けをし、給湯室で使われた食器を洗っていた。


「あっ、そうだ!聞いたよ。倉木さんの事」


紗和は手を拭きながら、にこっと笑う。


「えっ?本当?で、何て?やっぱり彼女いるって?」


必死な私を見て、紗和はくすっと笑い


「ここ何年もいないらしいよ」

「本当?」

「うん、そう言ってた」


よかったぁ!!

好きだと思ったら、即行動の私。

だから、当たって砕ける事の方が多いんだけど。

でも、“少しずつ私の事を知ってもらってから告白”っていうのは、私には出来ない。

だって、好きって気持ちを言いたくなるから。

“付き合ってから、お互いの事を知っていく”っていうのでもいいじゃない?

だから、


「私、倉木さんに告白する!」

「えぇっ!?」


私の一言に紗和はすごく驚いていた。


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