愛を餌に罪は育つ
言われたお店に着き、中に入り店員の男性に待ち合わせだと伝えると、お店の奥の個室のような作りになっているボックス席へと案内された。


そこには既に笠原さんの姿があり、彼女は私を見ると柔らかく微笑んだ。


笠原さんとはもっと普通に出会いたかったな。


そしたら友達になれてたかもしれないのに。



「お待たせしてすみません」

「私も来たばかりですから大丈夫ですよ」



ソファーとまではいかない革張りの固い椅子に腰掛けた。


笠原さんがメニューを見やすいように広げて置いてくれた。



「私はもう決まったのでどうぞ」

「ありがとうございます」



開かれたページにはパスタやドリアのメニューが載っているけど、食べ物を頼んでもいいのかな。


仕事の後でお腹が空いているのは確かだけど――。



「食べて下さいね。お仕事の後ですからお腹も空いてるでしょうから」

「あ、はい」



仕事柄なのか性格なのかは分からないけど、笠原さんって相手の事をよく見てるなって思う。


私はドリアとカプチーノを注文し、笠原さんはパスタと紅茶を注文した。






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