愛を餌に罪は育つ

家族

ホテルで生活を始めて二、三日が過ぎた。


会社とホテルの往復はタクシーを使っている。


あのメールを見た後だと流石に電車で通勤する気にはならなかった。


笠原さんにはホテル生活を始めた翌日に連絡をした。


これ以上朝陽に迷惑を掛けられないから、家が見付かるまでホテル暮らしをすると説明すると、笠原さんは特に何かを聞いてくる事はなかった。


朝陽にされた事は話せなかった。


体を重ねた事に関しては同意の上での行為ではなかったけれど、それは私が寂しさと不安を紛らわす為に朝陽を利用した罰なんだと思う。


それに、私の中の女としての醜い部分を誰にも知られたくなかった。


そんな事を考えながら私は椅子に座って、手に持っている番号が書かれた紙と同じ番号が電光掲示板に表示されるのを待っていた。


今日は午後半休を取らせてもらい、戸籍謄本と住民票を貰う為役所に足を運んだ。


役所や銀行、郵便局などはいつでも混んでいるから行かなければいけない用事ができてしまうと億劫だ。


それに平日働いていると窓口の営業時間に間に合わない為、こうして休みを取らなければならない。


本当に不便で面倒臭いと思う。






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