愛を餌に罪は育つ
キャッシュカードと通帳もバッグには入ってるみたいだけど――暗証番号分からなくてもお金って下ろせるんだろうか――――。


翌月のページを捲ると、パラパラと予定が書き込まれていた。


そこに書かれていた予定を見て私はまた驚いてしまった。



「九時初出勤!?どこに!?」



自分で書いた予定には間違いない。


だけど全く見に覚えもない上に、軽く頭の中は混乱すらしている。



「何の仕事するの?――しょうがない――せっかく決まった仕事だけど、他に探そう」



思わずため息を零してしまったが、気を取り直してまたバッグの中をあさってみた。


他に何か私の生活が分かるようなものがないかな。


するとバッグの内ポケットが少し膨らんでいることに気付き、チャックを開けた。



「USBメモリ?仕事で使ってたのかな?」



今はPCが手元にないから、これはとりあえず後で中身を確認することにしよう。


自分で言うのもあれだけど、私って結構しっかりした性格だったのかも。


暫くの間独り言をブツブツ呟きながら私は時間も忘れバッグの中をあさり続けた。






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