愛を餌に罪は育つ
秋はドアを閉めると鞄をソファーの上に置き腰掛けた。



『もしこの後予定がないならコーヒーを煎れてもらえないか』



秋の言葉に思わず笑みが零れた。


予定がないならって――予定がない事知ってるくせに。



「直ぐにお持ち致しますね」

『二つお願いするよ』

「え?」

『たまにはいいだろう?』



頬っぺたがほんのり熱を帯びたような気がした。


もしかしたら顔が赤いかもしれない。


付き合うようになってからは、私は秘書なんだと自分に言い聞かせていた。


そうじゃないとボロが出てしまいそうだから。


だからまた副社長室で二人でお喋りが出来るんだと思うと、ドキドキした。






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