愛を餌に罪は育つ
一瞬二人の間に沈黙が流れた。


――――一週間?



「それは朝陽が悪い!!怒られて当然でしょ!!」

『本当ごめん!!今でも無くしたことは反省してるよ!!』



朝陽がなくしてつけなくなったから私もつけるのを止めたのかな?


まぁ、ペアリングなのに片方だけつけててもって感じだよね。


腕を組みながらそんな事を考えていると、朝陽がチラチラと私の顔色を伺っていたので、私はわざと不機嫌そうな素振りをして見せた。


そっと朝陽の顔を盗み見ると、今にも泣きそうな顔をしていた為、私は我慢できずに噴出して笑ってしまった。



『からかってたの!?本気で落ち込んでたのに酷いよッッ』

「ご、ごめん!!だってあんまりにも朝陽が可愛いからつい」



両手で口元を覆い笑いを一生懸命堪えていると、私の手の甲に朝陽の手が重なった。


そして朝陽は優しく微笑むと、私の手をそっと退けて触れるだけのキスをした。



『ごめん――約束破って――あまりにも無防備で可愛い顔して笑ってるからキスしたくなった』

「かわッッ――い、い!?」

『お願いだからもう少し自覚を持ってほしいよ』



そんな事言われても何をどう自覚を持てと!?


記憶のない私にとってはファーストキスの様な感覚で、酷く胸が騒がしかった。


その様子が伝わったのか、朝陽は笑っていた。


凄く嬉しそうな顔をして。






< 83 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop