10年越しの恋
プロローグ
あなたと過ごした日々は今でも私の中で一番輝いている。


「瀬名 大好きだよ」


そういった笑顔、優しく響く声。


たくさんの喜びを与えてくれた。やさしさをくれた。

泣いていても、あなたがいる。それだけで涙が止まった。

いつもの右側。細く締まった手首に暖かく大きな手のひら。

そんなあなたの手に安心をもらった。

いつもそばにあったそんな優しさをなぜ最後まで信じることができなかったんだろう?

近すぎて見えなかった。

ありきたりな言い訳。

そんな言葉では説明できない・・・。

そう思う。

今でも夢に見る。幸せな日々を。

悲しみに心の行き場を失い、あなたを傷つけた。

誰よりも愛していたのに。誰よりも愛してくれていたのに。

20歳から10年間の記録。

恋をした。愛されることを知った。

本当の恋だった。私はそう信じている。
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