10年越しの恋
近づくサイレンの音。

騒然とする真夜中の繁華街。



目を開けると私は救急車の中にいた。

雅紀が手を握ってくれている。

「瀬名? 瀬名?」

まだ意識が朦朧として声が出せない。

(雅紀…… 頭がぼーっとして 顔がかすむよ)

「ごめんな。俺何もできなかった」

「やっぱりがきだよな。簡単に挑発のって」

(そうじゃない 雅紀がいたから がんばれたんだよ)

「もうすぐ病院だから、安心していいから」

雅紀の声を聞きながら私の意識はまた遠のいた。
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