10年越しの恋
さやと私は1時間早く待ち合わせたものの、まさよの忠告通り大行列に並んでいた。

これってあとどのぐらい並ぶんだろ~。どうにかしてほしいよね。そういいながらダルそうに伸びをするさや。

「今朝のまさよなんか変だったんだよね。妙に早口で、電話もあわてて切った感じだったし。隠し事してたりとか嘘ついてる時の子供みたいな」

行列の先頭を背伸びして確認しながら、何気に話を振ってみる。

「もしかして恋! だったりして」

「えっ?? そうなの? さやなんか聞いてるの?」

「なにも聞いてないけどね。この間瀬名の説明会の日かな? お茶してた時に素敵な恋して驚かすから! みたいなこと言ってたからそうなんじゃないのかなあって」

「あっ、そういえば言ってた!」

「でしょ~ まさよがそんなこと言うのってちょっとあやしくない?」

「うん、さすがさや! するどいね~」

「っていうか、瀬名が鈍感すぎるだけなんだけどさ」

「さやさん、私一応1歳年上。お姉さん」

楽しそうに笑うさや。


もしかしてすっごい年上のいい感じのオヤジだったり?

なんか、こうすごい包容力の持ち主みたいな。

だってまさよ以外に甘えただし、寂しがり屋だし!

そんな風に私たちは友達の幸せを想像しながら、長い待ち時間を過ごし、無事履修登録を終えた。

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