牛乳と猫スーツ。
25…誕生日プレゼント。
体育祭が終わって数日が過ぎたある日のこと。部室に行こうと、直樹が旧館の廊下を歩いていると、蓮と彩華が少し離れたことろにいた。
「ちょうどいいところに来たな。」
「直樹く〜ん!」
彩華が手を振っているので近付く直樹。
「今、彩華に話していたとこなんだが、ちょっと商店街まで行ってきてくれないか?」
「いいですよ。何か仕事をすればいいですか?」
「いや、仕事はしなくていいんだ。前の仕事の報酬をまだ受け取っていなくてな、それの回収だ。場所は彩華が知っている。SSCを見せて、この書類を渡してくれればもらえるから。」
蓮がファイルから出した書類を受け取る直樹。
「わかりました。けど、受け取るだけなら1人でいいんじゃ?」
「まあ、そうなんだが。最近よく頑張ってるからな、そのお金で好きな物1つ買うといい。それじゃあ、俺はこれから会議だから。」
そう言って、蓮が歩き去る。
「それじゃあ、行こっか〜直樹くん。」
直樹は彩華と共に商店街に続く道を歩く。
「最近、商店街行った?」
長いポニーテールを、尻尾のように揺らしながら彩華が言う。
「食堂と売店があるからなかなか行かないんだよね。彩華さんは?」