牛乳と猫スーツ。
35…喧嘩。
12月のある日のこと、部室に蓮と雪の2人がいた。
「お腹減った…。雪、奥になんか食べ物なかった?」
長い銀髪を左右で団子にした蓮が、長机の上で寝転びながら言った。
「唐揚げ粉とサラダ油ならあったわよ。」
興味なさそうに、雪がパソコンを使って仕事をしている。
カタカタカタカタカタカタカタ…。
すごい速さでキーボードを打つ。
「相変わらず速いね〜。」
「あんたが言うと嫌味にしか聞こえないわね。」
「最近触ってないからな〜。昔みたいに速くできないよ。そんなことより、お腹減った〜!」
腹減ったとアピールするように、ゴロゴロと転がる。
「森で何か捕ってきて唐揚げにしたら?」
「………………。」
何かを見つめていた蓮が、無言で奥の部屋に入っていく。
カセットコンロと鍋、サラダ油に唐揚げ粉を持ってきて、準備を始める。
「蓮、揚げる物も無いのに準備してどうするつもり?」
「揚げる物ならそこにある。」
蓮の指差す先には小さな水槽があった。
「ちょっと!?そんなことしたら!!」
「大丈夫〜。後で補充しとくから。」
………………………。
……………。
……。