牛乳と猫スーツ。
40…Shall we dance?
12月30日、大晦日を明日に控えた今日は、冬にしては暖かい日である。
洋風の建物が並ぶ一角に何人かの女子生徒がお茶を楽しんでいた。
高そうなティーカップ、高そうなケーキなど、一般庶民には考えられないほどの高級な店である。
一見、どこか街の中かと思われるが、歴とした学校である。
そう、ここは有名な会社の社長や社会的地位の高い人物の娘や、何かに秀でた才能を持つ女の子が通う学校。
セントリー女子学園である。
守られて育ってきた、美しく清らかな女の子がいる中で、一際目立つ女の子が歩いていた。
身長は高めの170センチくらい、膝くらいまである長い黒髪、ナチュラルな化粧で、ピンクのラメ入りのリップが弾力がありそうな彼女の唇を彩る。
首から、中心に宝石がついたロザリオのネックレスをかけている。
そんな美しい彼女であるが、表情はどこか悲しげである。
「どなたかしら?」
「なんて美しいんでしょう!」
彼女を見る女子生徒が口々に話す。
その言葉が耳に入るたびに彼女は小さく溜め息を吐く。