牛乳と猫スーツ。
42…手を差し伸べて。
冬休みが明け、一週間が経ったある日の朝。
グラウンドでは野球部やソフトボール部、陸上部などが朝練をしている。
そんな学生らしい光景が見えるグラウンドで、突然ドーンと何かが衝突するような轟音が鳴り響く。
「がはっ!」
校舎にめり込むように倒れたのは白のジャージを着た直樹だった。
「バカ野郎!何度言えばわかる、頭で考えるな!体で反応しろ!!」
直樹を校舎に蹴り飛ばした主であるカチューシャをして黒いジャージを着た人物、龍堂学園生徒会長、神崎蓮である。
本来なら生徒や教師達が駆けつけてきそうな状況だが、事前に蓮が説明しており、さらに新学期が始まってからずっとやっているので、今となっては見慣れた朝の光景になっている。
「どうした!早く立て!守りたい物があるんだろ!」
「く…っ……。」
歯を食いしばって直樹が立ち上がる。
「がっ!!?」
立ち上がった瞬間に蓮の蹴りが腹部に入り、校舎を突き抜けながら吹き飛び、蓮は反対側まで突き抜けた直樹の所まで歩いていく。
「おい、蓮。私の城に穴をあけるな。」
養護教諭の藤原かなめが煙草を吸いながらパソコンでオンラインゲームをしながら言った。