牛乳と猫スーツ。
数秒、目の前に起こっていることを理解できなかった。
片足で車を止めているのだ。
車の運転手はエアバックに埋もれて気を失っていた。
「確かに、危ない運転だな。」
グイッと車にめり込んだ左足を外す。
そして背を向けて歩いて行った。
「会長って…、不死身なの?」
「中学の頃はトラックを止めてたけど、片手で。」
あの猫スーツってどうなってるんだろうかと、直樹は思った。
………………………。
………………。
………。
「そろそろ学園に戻れよ〜。」
ゴミ拾いしている生徒1人1人に言っていく蓮。
「おっと……。」
急に左足が重くなり、バランスを崩す。
見てみると、左足からバチバチと小さな電気が出ている。
「故障だな…。」
………………………。
………………。
………。
ゴミ袋を指定の場所に置いて賞品をもらった。
優華が99位の電卓。
直樹が100位のビー玉。
とりあえず3人で悠斗を探していると。
「このバカ野郎がぁぁぁ〜!!」
「ごべんなざい…。」
グランドの中心で悠斗がラグビーのポールに巻き付けられて、雪に蹴られていた。