LOVE〜強さに隠した涙〜


「友哉」
俺が駿さんに呼ばれたのは、柊さんが望夢を家に送った後のことだった。

「何スか?」
「お前に頼みがある」
「頼みっスか…?」
「あぁ」
少しの沈黙があった。
その間、駿さんは何かを躊躇っているようだった。

「友哉」
もう一度俺の名前を呼ぶと、駿さんは顔を上げた。
その顔はとても力強く、少し緊張してしまった。
駿さんの咽喉が鳴る。そして、
「望夢を…頼む…」
一瞬意味が分からなかった。

どんな意味で言ったのだろう…。

頭が冷静さを取り戻したとき、そう思った。
次第にその疑問が頭の中を支配した。

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