私の彼氏
その日、真由美と山崎生徒は梅子の病室によばれていた。

主治医によると、いよいよとのことである。

「おぬし達に出会えて、楽しかったぞ。ありがとう。ワシはもうダメじゃ」

「弱気なことを言わないでください。これからも、私達にいろんなことを教えてください」

真由美は涙をこらえながら、そう言った。


「いいか、真由美。憎しみは憎しみしか生まぬ。復讐は復讐を生む。時には、人を許してやることも必要じゃぞ」

「はい!」

真由美は梅子の手を強く握った。


「それから、山崎よ。喫茶店『ユリア』のこと、しかと頼んだぞ」

「まかせて、ください」




「ふー。これで安心して、あの世に逝けるわい」

「梅子さん、そんなこと言わないで!」
山崎生徒が叫ぶ。


「先に、逝った爺さんが迎えに来よった。これまでのようじゃな…。爺さん、今行きますよ」


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