コイ ノ カタチ

あたしの頭の中のひとりごとは、彼の一言で現実に引き戻された。


「あ、や、話って、言われても……」


久美、あたしになに言えっていうの？

まさか告白しろ、なんて言う気じゃ……。



「……あっ！　電話！」

彼が手にしてるケータイが目に入った。


「え？」


「電話！　するんじゃないの？」


これでこの場を切り抜ける方法を考える時間が作れる。


そう思ったけど……。


「あぁ。あとで大丈夫」


あたしの計画はあっさりと崩れ落ちた。



「で？　どうしたの？」

「あ、あの……」