Loving Expression ~愛を詩にのせて送ろう~
「ねぇ美羽!どう?瀬田くんの新曲!」
太陽も沈みかけの放課後。
机といすが並んでいるだけの教室で、二人の女子生徒が一つのヘッドフォンに耳を傾けている。
椅子に座って目をつぶっている女子は、うるさそうに眼を開け、ヘッドフォンを丁寧に外した。
「まだ一番だよ優衣………」
苦笑しながらヘッドフォンを外したのは喜多川 美羽。
優衣、と呼ばれたストレートヘアーの女子は美羽を不満そうに見た。
「だっていい曲じゃない?やっぱし瀬田君は天才だわ~」
曲に酔いしれてる優衣にまたまた苦笑し、橙色の空を窓を通じて眺める。
「天国ねぇ」
歌詞カードを握りしめながら呟く。