Loving Expression ~愛を詩にのせて送ろう~
疲労と痛みのせいか視界もぼやけ始めていた。
「もう限界か?ふらふらしてきてんぞ?」
楽しそうにボスが笑った。人が苦しむ姿を見て笑うやつにいいやつはいない―――とそんな言葉が思い浮かんできた。
誰が発した名言か、それを考える余裕すら今の夏目にはなかった。
「………一つ言いてぇことがあるんだが」
夏目は低く呟いた。
「何だ?辞せの句でも残そうってか?」
ニヤニヤしながらボスはひげを蓄えた顎をなぜた。高校生のくせして、と夏目は内心で毒づいた。
「死ね」
ぶちっと敵方の血管が切れる音を聞きながら夏目は構えをとった。彼オリジナルの構えだった。