青い向日葵


「はあ……」


無意識にため息が漏れる。


そのため息で、もう一つの憂鬱を思い出した。


杉本だ。


まだ今日は、一言も杉本と会話をしていない。


こんなことは別に珍しいことではないが、昨日の今日だけに変に意識してしまう。


平静を装っていたが、杉本は俺と春野を見て、明らかに動揺していた。


それを感じて、俺も少し動揺したけれど。


……春野は?


春野はどう思っているんだろう。


俺たちはただの友達なんだろうか。


それとも、春野がどちらかを選ぶことはあるんだろうか。


幾度となくため息が漏れる。


もう、帰りたかった。

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