甘いkissを君にあげる







「で、夏月の誕生日はいつなの?」




「‥わっかんない!」




「は?」




「あは、知らないんだよねぇ‥‥」





本当に知らない。


自分の誕生日なんてわからない。




拾ってくれたおばあちゃんは4月1日が覚えやすいからって、毎年その日にバースデープレゼントをくれてた。




だからってその日が誕生日かわからない。





「そう、なんだ」




「けど!平気だから!」




もう何年も自分の生まれた日がわからないんだもん。



それが当たり前。





「もー!お腹空いちゃったじゃん!なんか食べよ??」




「いいけど‥‥」




「どっか行こっか!」




「だな」




「確か来る途中にファミレスあったよね?」




「よく見てんな」




「そりゃあ!琉風の家の行き方覚えたいし!」




いつでも来れるように‥なんて。





「遅いー」




「考え事してたの!!行こ♪」













そうして


なんやかんやで家を出た。















< 307 / 360 >

この作品をシェア

pagetop