海の記憶に残る恋
「あそこに大きな岩があるじゃない?なんか違和感ない?」




あやはシンジが示した方向を見た。




「本当だ。なんか不自然だね」




あやは岩のほうをじっと見ている。




シンジはあやをじっと見ていた。




結構かわいいな、と思っていた。




「でしょ。なんか変だよね。それで気になって、ゆうべ、あの岩に近づいてみたんだ」




浜辺から海風が軽く吹いた。




浜辺側をあやが歩いていたので、シンジにはあやの匂いを嗅ぐことができた。




とてもいい匂いがするな、とシンジは思った。

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