ライフ・フロム・ゼロ
どのくらいの間そうしていただろう。
ふと、
ナカに会いたい、と思った。
身体を起こし、
鞄をたぐり寄せて携帯を取り出す。
少し遅い時間だけど、
まだ起きているはずだ。
ナカの電話番号をプッシュして、
携帯を耳に当てる。
呼び出し音をいくつか聞く。
なかなか出ない。
それはやがて、留守番電話になってしまった。
「…………」
ナカはテレビなんかに夢中になっていて、
電話に気づかないことがよくある。