冷たい上司と私の恋愛事情。
プロローグ

あれは、まだ暑さの残る9月の事ーーー。



『ごちそうさまでした』


仕事帰り、片想いだった彼と流れでご飯に行ける事になりその帰り道。


私が乗る電車の改札前、立ち止まり、お礼を言う。

彼とは乗る電車が違う為、ここでお別れ…。

寂しさが襲う。

もしかしたらもう2人きりになれるチャンスは中々無いかも…。


「いや、それじゃあまた」


くるりと背を向け、歩き出す彼。


『あ、あの!』


そんな彼を思わず呼び止めた。


「なに?」

『あ、えっと…』



呼び止めたは良いけど、その後に言う言葉なんて考えてる訳もなく、振り向いた彼にしどろもどろになってしまう。


「どうした?」


不思議そうな顔をしてる彼に、もう言うしかない!と、半ば勢いで口を開いた。


『く、黒田さんが好きですっ……!』


告白するつもりなんて無かったのに、勢いのまま、出てしまった言葉は取り消せる訳もなく…。

彼の反応が怖くて俯いてしまう。


フラれたらどうしよう…。

むしろ、フラれる可能性の方が高いよね…。

そんなネガティブな考えしか出てこない。






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