プロポーズをさせましょう【完】
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
「たくちゃん、それって……」
「プロポーズ。まっ、芹に拒否権なんてないけどね」
嬉しそうか顔をしながらあたしの指に指輪をはめていく。
「夢っ…じゃないよね?」
「夢にしたいの?」
「だってっ…!たくちゃん結婚に興味なさそうだったもん!」
だってあたしが数々の作戦を実行していったのに、たくちゃんには全く伝わらなかった。
「そんなことないよ?芹が俺に結婚を意識させようと思っていろいろしてた姿が可愛くてさ。つい、からかっちゃった」
イタズラがバレたような顔をしたたくちゃんはあたしを優しく包んだ。
「芹、しっかり伝えるよ。俺と結婚してほしい。何年も、何十年も。ずっと俺の傍にいて」
「っ!!はい!!」
もう泣いてしまって、本当はいっぱい伝えたかったけど、この返事が精一杯だった。