藍色のキミへ
無力


「彼氏とどんな感じなの?」

「すごい好きなんだけど、優しさと気遣いの区別がわかんない〜」

「藍に気遣ってんの?」

「そんな気がしなくもない、なんか悲しい」

「でも好きなんでしょ?」

「やっぱ大人は、大人なんだよね…」

「大人ってみんなそうじゃん、大人になんかなりたくない」

「ちょっと幻滅」


顔から血の気が引いていった気がした。

自分の中に通っていた固い何かが、抜けて崩れた音が耳に響いた。


気遣っていた?
無意識のうちに?

優しさと思っていたのは、彼女にとっては気遣いだったのだろう。


どこで間違ったんだろう。
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