藍色のキミへ


その人が入院している病室をノックすると中から、どーぞという声がしたので中に入った。


「どなた?」

「あなたの前で倒れた女の子の恋人です」

そう言った途端、露骨に嫌な顔をされた。


「あの子、病気なの?」

「アレルギーってご存知ですか?」

「そのくらい知っているわよ」

「そのアレルギーで、死ぬこともあるのをご存じですか?」


おばさんは、バツが悪そうに顔をそむけた。

「彼女は、まだ意識が戻りません」

「………」

「彼女が、どんな理由で病院に来ていてもあなたには関係ないでしょう」


言いたいことが、喉から溢れ出て止まらない。


「あなたのせいで彼女が死んだらどうするつもりですか?」

「大袈裟なのよ!!たかがアレルギーくらいで!」

「自分が何言ってんのか、わかってんのかよ」


本気で思った。
この人は、なにも知らない。


< 69 / 100 >

この作品をシェア

pagetop