君の肌を壊す夜


あたしが、ハーブティーの効能を偉そうに教えようとした時

一瞬、優貴のほうが早かった。


「ハーブティーってね、身体の調子を整えてくれるんだ。

美容にも良いし、ストレスも軽減されると思うよ。」


そう笑った。


だだっ広い部屋に


燃えるような朱い夕陽が窓から射して


それを背に優しく笑う。



その1場面があたしの中のおぼろげな記憶とシンクロした時


あの日の光景が、頭の中から溢れ出るように記憶を遡る。



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