We're Square ・・・・Savvy?
先輩にキスされて無意識に擦りまくって荒れた唇を何往復したくらいだろう。

「リップは?」

「持ってない。」

「・・・。」

「・・・。」

「家には?」

「・・ない。」

「・・・。」


ちーーーん。
白目剥いていいですか?!


「虎さん、呆れないでくれ。私だって女子の端くれだよ。もう春も終わるしあったかくなるじゃない。乾燥が気になる冬限定品なんだよ、あれは。」

「どうしようもねぇ。」

「も、もしかしたら冬の残りが家にあるかも!」

必死に訴えたところで私に対する女子度は変わらず。

「買いに行くぞ。」

「ピンクになるヤツがいいな。へへっ。」

だから、ちょっぴし女の子らしく言ってみたら。

「冗談だって、目力強過ぎだって!あわわっ!!」

3秒で女子度オーラを終わされた。




ドラッグストアに入り色付きリップのコーナーに一目散で向かったら、特売用のメンソレータムリップを持ってレジに向かった虎さん。


ね、ねぇ。私の意見は・・・・?


「ほら。」

ちゅーがしたくなるサクランボ唇にほのかに憧れてたけど、開封してガサガサな唇に塗ってくれたからよしとしよう。

サクランボじゃなくて無色だけどね。

「千夏にはこれで十分だ。明日忘れんなよ。」

「忘れたらコンビニで買ってください。」

「アホか、山ん中にあるわけねぇだろ。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」


ごもっとも!!

私、女子力磨こうかしら。てへへ。
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